
若いうちから年収が高く、ステータスのある仕事として人気の金融業界。
しかし、ハードワークを課せられることも多いため、辞めたいと感じる人も多いものです。
ただ、金融業界からは、どのような職種へと転職をするのが良いのでしょうか。
転職業界の転職事情と、おすすめの職種を紹介します。
目次
金融業界から転職を考えている人は多い
金融業界で営業職に就くと、体育会系のノリが強く、上司から数字を詰められることもあるでしょう。
顧客から厳しく叱責されることもあり、ストレスのたまりやすい仕事としても知られています。
また、朝早くから夜遅くまで仕事をするケースもめずらしくなく、体調を崩してしまうこともあるのです。
ストレスに耐え切れず、精神のバランスを崩してしまう人もめずらしくありません。
そのため、金融業界からの転職を考えるという人は非常に多くみられます。
ただ、金融業界からの転職では、どの職種を選ぶのが良いのでしょうか。
ここからは、金融業界の転職事情を紹介しますので、転職の際の参考にしてみてください。
金融業界からの転職事情
金融業界は特殊なスタイルで勤務することが多いため、転職スタイルにも特徴があります。
金融業界から転職には、どのような転職事情があるのでしょうか。
次の3つのポイントをピックアップして説明します。
- 1.20代は他業界・他職種に転職することが多い
- 2.30代以降は同業界に転職することが多い
- 3.企業の管理部門には金融業界からの転職者がいる
1.20代は他業界・他職種に転職することが多い
金融業界からの転職では、金融業界から離れて他業種へと移る人が多いといえます。
金融業界というのは、休日出勤や残業が多く、上司からの圧力が強い傾向がみられるため、ストレスが溜まりやすいのが特徴です。
そのため、これまでとは同じストレスフルな仕事はしたくないと考える人が多く、金融業界ではなく他の業界を選ぶ人が後を絶ちません。
また、20代などの場合には、新しい業界へとチャレンジしたいという意欲も強いでしょう。
金融業界で身につけた営業経験は、他の業種でも十分に役に立ちます。
なかでも、法人の営業を経験していたのであれば、さまざまな企業で活かせるため、転職しやすいといえるでしょう。
したがって、20代で金融業界からの転職を考える人は、ほかの職種を選ぶ傾向にあります。
2.30代以降は同業界に転職することが多い
20代など、金融業界の経験が浅い人の転職では他の職種が人気ですが、30代を過ぎると同業種への転職が目立ちます。
ある程度の経験を積んで金融業界から転職をする際には、キャリアアップを求めることが多いでしょう。
そのため、同業種での転職が盛んです。
金融にはさまざまな業種が含まれていますので、銀行から保険会社への転職といったパターンもあります。
30代を過ぎると金融に関する知識が豊富になるため、金融業界内では即戦力として重宝されるでしょう。
金融業界の経験が有利に働くことから、30代の一般的に転職が難しくなる年齢でも、転職しやすいといえます。
3.企業の管理部門には金融業界からの転職者がいる
金融業界からの転職では企業の管理部門も人気です。
ノルマに追われる生活から離れても、金融業界で培ったノウハウを活かして働きたいという人はめずらしくなく、企業の管理部門には金融業界からの転職者が多くみられます。
経理や財務といった仕事は、銀行や証券で学んだ基礎知識が活かせるため、経理や財務そのものの経験がなくても転職できるのが魅力でしょう
年収が下がるケースがほとんどですが、穏やかに仕事ができる環境が整えられていることから、女性の転職先としても高く評価されているのです。
金融業界から転職する3つのメリット
金融業界からの転職には、メリットとデメリットがあります。
次の表のようなメリットやデメリットがあるため、しっかりと考えて転職をするのが良いでしょう。
メリット | デメリット |
転勤の多い仕事から解放される | 金融業界の経験は転職先で有利にならない |
保守的な環境から解放される | 転職先の給与が低くなることもある |
将来性のある業界で働ける | - |
この表を踏まえ、金融業界から転職するメリットを紹介していきます。
メリット1:転勤の多い仕事から解放される
金融業界の営業マンは数年ごとに転勤が設けられ、同じ営業マンが同じ顧客を担当し続けることがないように配慮されています。
数年単位での転勤はめずらしくなく、独身者はもとより家族や子供がいる営業マンにも遠慮なく転勤の辞令が下されるのです。
その点、金融業界から転職をすると数年ごとの転勤に怯えることがなくなるでしょう。
子どもの進学を考えて転勤のない仕事を希望する人も多く、転勤によってライフプランが立てやすくなるのが魅力です。
同じ場所に住み続けられる安心感もあり、マイホームの夢もかなえられるでしょう。
メリット2:保守的な環境から解放される
金融業界は良くも悪くも保守的であるといわれ、年功序列の体制が色濃く残されている企業が多いでしょう。
若いうちはできることが限られ、やりがいのある仕事を任せられるチャンスも少なくなります。
そのうえ、年齢に合わせて必ず役職が上がるという保証もなく、競争だけが激化していく業界です。
金融業界からの転職では、保守的な環境から解放され、のびのびと働けるのようになるのがメリットでしょう。
キャリアに不安を感じることがなく、ストレスの多い生活も変えられることから、転職によって自由を手に入れたと感じる人は多いものです。
メリット3:将来性のある業界で働ける
金融業界の経験があると、転職活動もスムーズな点もメリットの1つでしょう。
金融業界は優秀な人材が多いと考えられることがほとんどで、社会人としてのマナーが整っており、ノルマに忠実で勤勉であると高く評価されています。
金融業界の基本的な知識も身についていることから、大きなお金を動かすポジションにも抜擢されやすいのです。
したがって、将来性の高い業界への転職にも有利に働くでしょう。
金融業界から転職する2つのデメリット
金融業界からの転職で得られるものはたくさんあるといえるでしょう
しかし、デメリットもあります。
そのため、次の2つのメリットに気を付けて転職活動を行ってください。
- デメリット1:金融業界の経験は転職先で有利にならない
- デメリット2:転職先の給与が低くなることもある
デメリット1:金融業界の経験は転職先で有利にならない
金融業界での経験は同じ金融業界では活かしやすいものの、異業種の場合にはあまり役に立たないことがあります。
なかでも、30代以降の転職では、企業側も即戦力となる人材を求めることが多いでしょう。
異業種で役に立つスキルがないため、未経験として扱われ、転職が難しくなるケースがみられます。
デメリット2:転職先の給与が低くなることもある
金融業界からまったく別の業界へと転職をすると、やりがいや、ワークライフバランスを手に入れることは可能でしょう。
しかし、金融業界ほどの高い年収を約束できる企業は少なく、年収が下がってしまう可能性が高くなります。
金融業界からの転職では年収にこだわって転職先を探す人も多いことから、なかなか転職できないケースも多いものです。
そのため、あらかじめ年収が下がることを覚悟しておくのが良いでしょう。
金融業界からのおすすめの転職先4選
転職先選びは金融業界からの転職で、非常に重要なポイントです。
そこで、金融業界からの転職におすすめの転職先を4つピックアップして紹介しましょう。
- おすすめの転職先1:IT・WEB業界
- おすすめの転職先2:コンサルティングファーム
- おすすめの転職先3:広告代理店
- おすすめの転職先4:ベンチャー企業
おすすめの転職先1:IT・WEB業界
IT・WEB業界と金融業界は、似ても似つかないと考えられる業界です。
しかし、金融業界からIT・WEB業界へと転職する人は多くみられます。
IT・WEB業界には転勤がなく、残業もほとんどないという企業が多く、金融業界では得られなかった自由な生働き方が手に入れられるのが魅力でしょう。
世の中の変化に柔軟に対応する業界ですので、世の中がどのように流れているのかをキャッチしやすく、転職によって人生観が広くなると感じる人もみられます。
金融業界からIT・WEB業界への転職はまったくの畑違いであることから、スキルがなく、転職は難しいと考えてしまいがちですが、金融業界からの転職でも歓迎されることが多いでしょう。
IT・WEB業界は柔軟な考え方を持つ企業が多く、これまでの勤め先で学んだ考え方や働き方が自社にマッチしているかどうかを重視しているのです。
金融業界からIT・WEB業界へと転職をすると、これまで以上に自由な生活が楽しめ、ワークライフバランスも充実するようになります。
おすすめの転職先2:コンサルティングファーム
金融業界からの転職では、コンサルティングファームもおすすめです。
コンサルティングファームでは、お金に関する専門的な意見が求められることが多く、これまでの経験を活かした仕事ができるでしょう。
融資やM&Aなどを経験した場合には、転職でも非常に有利だといえます。
さらに、財務分析経験があれば、大手企業のコンサルティングにも対応できますので、即戦力として活躍が可能です。
また、コンサルティングファームではバックオフィス部門も設けられいますので、金融業界での経験を活かしてコツコツと仕事をしたいという人にもぴったりだといえるでしょう。
おすすめの転職先3:広告代理店
広告代理店も、金融業界からの転職にはおすすめです。
広告の分野では、広告を出したい顧客にデータに基づいた提案をしなければならないため、数字を読み解くスキルが求められます。
金融業界を経験した人材であれば、マーケットの規模や見込み客などの具体的な数字を割り出し、効果的な広告が提案できると考えられているのです。
金融業界から広告代理店へと転職する人も多く、たくさんの金融業界経験者が広告業界で活躍しています。
おすすめの転職先4:ベンチャー企業
金融業界の保守的な体制から抜け出そうと考えている人は、ベンチャー企業を選ぶ方法もあります。
30代からベンチャー企業への転職を目指すのは難しいといえますが、ベンチャー企業では若い人材をポテンシャルで採用するケースがほとんどです。
金融機関の厳しい仕事をこなし、熱意を持って働ける人材であると考えられる場合には採用されやすいといえるでしょう。
また、金融機関では高学歴の人も多いことから、優秀な人材であると判断されやすいのもメリットです。
金融機関を経験したというネームバリューが考慮される可能性もあり、ベンチャー企業でいきいきと働きたいという人には有利に働くでしょう。
金融業界から転職は20代のうちに決断すると成功しやすい
厳しい働き方を迫られる金融業界からの転職は、さまざまな点でメリットがあります。
しかし、30代以降の転職は難しいため、20代のうちに転職を決めてしまうのが良いでしょう。
金融業界で得た経験やスキルを活かせる仕事はいくつもありますので、転職によって自分の求める働き方を手に入れてください。