
販売は魅力的な仕事ですが、長時間勤務になりがちで残業も多いわりに給与が高くなく、なかには他業界への転職を検討している人もいるでしょう。
そこで、転職を成功させるために押さえておきたいコツや転職におすすめの業界を紹介します。
目次
販売業から他業種への転職は難しい?
華やかで楽しいイメージのあるアパレルなどの販売業は、実際に働いてみると辛いことも多い仕事です。
立ち仕事が続き、身体的な負担が大きい割に待遇も良いとはいえず、転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、販売業から未経験の業界に転職するのはそれほど簡単ではありません。
ここでは、販売職から他業種への転職が厳しい理由や不利な状況でも内定を獲得するために押さえておきたいコツについて解説します。
おすすめの転職先も紹介しますので、参考になるでしょう。
販売業から他業種への転職が厳しい3つの理由!
販売職から未経験の業界への転職は簡単ではありません。
それは主に次の3つの理由によります。
- 販売業の資格やスキルは他業種で活かしにくいため
- 30代以上になるとスキルや実務経験が求められるため
- 他業種の働き方がイメージしにくいため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
販売業の資格やスキルは他業種で活かしにくいため
販売職として勤め、スキルアップのために業務に関連した資格を取得する人も多いでしょう。
代表的なものに商工会議所が実施する「リテールマーケティング(販売士)検定試験」があります。
しかし、こういった資格や業務経験を通して身につくスキルなどは、販売業界では役にたっても他業界では活かしにくいことが一般的です。
中途採用する会社は即戦力になる人材を求めています。
そのため、販売職でのみ通用するような資格やスキルがあっても、他業界ではなかなか採用にいたりません。
30代以上になるとスキルや実務経験が求められるため
転職市場では、年齢が若いほど有利になる傾向があります。
これは、若い世代であればすぐに仕事になじみ、業務に必要な知識や技能を習得するのも早く、ポテンシャルが高いと企業が考えるためです。
そのため、20代であれば未経験の業界への転職に成功しやすい傾向があります。
一方、30代以降で未経験の業界に転職するのは厳しいでしょう。
これは、30代以降の人材に対しては、実務経験を通して必要なスキルや知識がすでに身につき、即戦力になれることを企業が期待しているためです。
販売業界での実務経験が豊富でスキルが高くても別の業界では通用しづらいため、内定獲得が難しくなります。
他業種の働き方がイメージしにくいため
販売業界は企業文化や社風、働き方などが独特です。
新卒で入社してずっと販売業界で働いてきたのであれば、他業界の働き方を具体的にイメージするのは難しいでしょう。
そのため、志望企業が求めている人物像や必要なスキルがつかめず、選考でうまくアピールできずに不合格となるケースが多いです。
販売業から転職するための4つのコツ
販売業から他業界への転職は簡単ではありませんが、不可能でもありません。
実際に転職を成功させ、転職先の会社で活躍している人はたくさんいます。
内定を得るためには、次の4つのコツを押さえて活動すると良いでしょう。
- 転職を成功させるには実績を作っておくこと
- 企業が求めるポテンシャルをアピールしよう
- 専門的なスキル・資格を取得しておく
- 転職エージェントを活用する
転職を成功させるには実績を作っておくこと
内定を得るためには、志望企業に「自分は企業にとって必要な人材である」ことを納得してもらう必要があります。
そのためには、「何かをなしとげた経験」や「具体的に数字で表せる実績」などのアピールできる材料が必要です。
たとえば、月ごとの売上目標は毎月達成していた、ショップのメンバーズカードの契約件数で店内トップをとったなど、具体的な成果があれば強くアピールできます。
もし、このような対外的にアピールできる実績や経験が何もないのであれば、転職はいったん思いとどまったほうが良いかもしれません。
企業研究や自己分析をしながら勤め続け、実績ができてから転職活動にうつるほうが成功確率が高くなります。
企業が求めるポテンシャルをアピールしよう
中途採用を計画している企業は、自社に貢献できる力のある人材や活躍できるポテンシャルのある人材を求めています。
そのため、面接では企業が求めている人材像をつかみ、的確にアピールすることが必要です。
ただし、具体的にどのような人材を求めているかは、業界や企業、職種によって異なります。
たとえば、営業であれば「お客様と信頼関係を築きニーズをくみ取って適切な提案ができるスキル」が、事務であれば「他部署とスムーズに連携できる対人スキル」「パソコンスキル」が求められることが多いでしょう。
求人票や募集要項、企業の公式サイトなどを熟読し求められている人物像をつかんだうえで、それに合った人材であるとアピールすると内定獲得に近づきます。
専門的なスキル・資格を取得しておく
幅広い選択肢を持つためには、専門的なスキルや資格を習得しておくのも1つの方法です。
とはいえ、やみくもに資格を取得するのはおすすめできません。
資格よりも経験が重視されるケースも多いからです。
ただし、たとえば不動産業界であれば宅建を取得しておくと意欲や知識をアピールできますし、介護業界を目指すのであれば介護職員初任者研修を取得しておくと採用確率が向上します。
転職したい業界について深く調べ、求められる資格やスキルを把握したうえで取得・習得を目指しましょう。
転職エージェントを活用する
効率良く転職活動を進めるうえで欠かせないのが転職エージェントの利用です。
転職エージェントは無料で利用でき、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- キャリアカウンセリングで自分でも気づかなかった強みを引き出してもらえる
- 希望条件にあった求人の紹介が受けられる
- 企業への応募や面接日程の調整などの代行をお任せできる
- 応募書類の添削や模擬面接などのサポートが受けられる
- 志望企業に給料や休日など待遇面の条件交渉もしてくれる
ただし、転職エージェントならどこでも良いわけでなく、質のところを選ぶことが必要です。
以下におすすめの転職エージェントを紹介しましょう。
おすすめ①リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界最大手の転職エージェントです。
保有求人数が多いことが大きな強みで、公開・非公開合わせて20万件を超しています。
転職エージェントによっては求人が都市に集中して地方にはほとんどないこともありますが、リクルートエージェントならその心配はありません。
知名度も実績も高いことから企業からの信頼も厚く、大手企業や有名企業の案件も多数扱っています。
キャリアエージェントの質も高く、豊富な経験があり適切なアドバイスをしてもらえると評判です。
どこを利用するか迷ったら、登録しておいて間違いのない転職エージェントでしょう。
おすすめ②マイナビエージェント
人材事業大手のマイナビグループが運営する転職エージェントです。
転職支援に関する豊富なノウハウがあり、丁寧なサポートが受けられるため、初めて転職する人でも安心して利用できます。
キャリアアドバイザーが業界ごとの選任性なのも大きな強みです。
業界・職種ごとの転職事情に精通しているため、的確なアドバイスが受けられます。
企業を担当するアドバイザーからは求人票などでは伺いしれない職場の雰囲気や人間関係などを詳しく知れるため、紹介された求人が自分に合っているかどうかを判断できる点も大きな魅力でしょう。
おすすめ③パソナキャリア
人材派遣会社のパソナグループが運営する転職エージェントです。
そのため、規模の大小を問わずさまざまな企業と太いパイプがあり、質の良い求人を多数保有しています。
「紹介してもらったものの応募したいような求人がなかった」といったことはないでしょう。
キャリアアドバイザーは親身に対応してくれると高い評価を得ており、総じて利用者の満足度も高いです。
2019年、2020年にはオリコン顧客満足度調査において転職エージェント総合第1位も獲得しています。
パソナキャリアは女性の転職支援に力を入れているため、販売職からの転職を検討している女性に特におすすめです。
相談だけでも行ってみると良いでしょう。
販売業からおすすめの転職先3つ
販売業界からの転職は容易ではないものの、比較的挑戦しやすい業界もあります。
以下の3つの職種が特におすすめです。
- デスクワークメインの事務職
- 人手不足で需要の多い介護職
- 接客スキルを発揮できる営業職
ここでは、それぞれの職種がおすすめの理由を説明しましょう。
デスクワークメインの事務職
特に女性におすすめなのが、一般事務や営業事務などの事務職です。
書類の作成やファイリング、データ入力、電話応対などが主な仕事で、他の社員のサポート業務が大部分を占めます。
販売職は立ち仕事になることが多く身体的につらい人も多いでしょう。
事務職は基本的に座り仕事になるため、身体的な負担はあまりありません。
土日や祝日、GWなど販売職では休みづらい日も、カレンダー通りに休める企業が多いです。
販売職でも発注や伝票整理、売上管理などの事務作業を行っているでしょう。
選考では、それらの経験をアピールするのがおすすめです。
人手不足で需要の多い介護職
介護職は慢性的に人手不足の業界のため、男女問わず未経験でも挑戦しやすく採用率も高いです。
介護関連の資格がなくても応募できる介護施設も多く、働きながら介護職員初任者研修などの資格取得を支援する制度が整っているところもあります。
選考では、販売職で培ったコミュニケーションスキルやホスピタリティをアピールすると強みとなるでしょう。
接客スキルを発揮できる営業職
販売職に近い営業職も転職先としておすすめです。
販売業務を通して磨いてきた接客スキルやコミュニケーション能力は、営業職でも役立ちます。
営業職は歩合制のところも多く、頑張れば頑張っただけリターンがあるため、やりがいを感じられるでしょう。
求人もたくさん出ています。
販売業から他業種へ転職する際の注意点
ここでは、販売職から他業種に転職する際に注意すべきポイントについて解説します。
希望条件を全部備えている求人は多くない
転職先を探すときは、「自宅から○分圏内」「週休2日制」「給料は〇万円以上」などさまざまな希望条件があることでしょう。
しかし、希望条件があまりに多くても、それらをすべて満足させる求人を見つけることは至難の業です。
そこで、転職先に求める条件をいったんすべて書きだしたうえで、優先順位をつけましょう。
「どうしても譲れない条件」に絞って求人を探すことが大切です。
転職先でも販売を任される場合がある
「もう2度と販売の仕事に就きたくない」と考え、転職を希望している人もいるでしょう。
ところが、なかには「メーカーの営業に応募して採用されたのに販売に回された」といったケースがみられます。
販売の仕事に魅力を感じず転職するのであれば、内定の通知を受けたら応諾するまえに自分が任されることになる職種についてしっかり確認することが望ましいでしょう。
販売から転職するなら具体的な条件を考えて早めに行動しよう
販売業界で培ったスキルや取得した業務関連資格は他業種では通用しないものが多いです。
そのため、年齢が行くほど他業種への転職に成功するのは難しくなります。
とはいえ、特別なスキルや資格がなくても良い事務職や人手不足の介護職、接客スキルやコミュニケーションスキルが活かせる営業職は、比較的挑戦しやすいでしょう。
採用の可能性は、年齢が若いほど高いです。
転職エージェントも利用しながら、早めに行動して内定を勝ち取りましょう。