
社会人2年目での転職は、若いので新しい環境になじみやすい、基本的なビジネススキルやマナーが身についている強みがあるなどのメリットがあります。選考では、1社目の反省をどのように活かし、新しい職場で何をしたいかを明確に伝えると良いでしょう。
目次
社会人2年目の転職は良いのか
入社してまだ2年目でも、「ブラックすぎて辞めたい」「この会社にいてはやりたいことが実現できない」などの理由から転職を考えている人もいるでしょう。
問題は、社会人2年目で転職できるかどうかという点です。結論からいうと、要点を押さえて活動すれば転職の成功は無理ではありません。
ここでは、社会人2年目で転職を検討している人を対象に、成功するために注意すべき5つのポイントや転職するメリット、デメリットについて解説します。
社会人2年目で転職をすることは可能
昭和のころは、1度入社した会社は定年まで勤めあげることが大切とする風潮が強い時代がありました。
しかし、現在ではこのような考え方はあてはまらなくなっています。
より良い環境を求め、数年で転職する人は珍しくありません。
入社後3年未満で転職活動をする人の数も増えていて、中途採用者とは区別して「第二新卒」という枠組みで呼んでいる企業も多いです。
第二新卒はひととおりビジネスマナーが身についているため企業が研修する必要がないうえ、まだ若くポテンシャルに期待でき、伸びしろもあります。
転職理由にもよりますが、仕事への熱意や前向きな姿勢を適切にアピールできれば採用される可能性は高いでしょう。
社会人2年目と経験が浅くても、今より良い条件で転職することは可能です。
社会人2年目の転職を成功させるための5つのポイント
入社して年数が浅いうちに転職することをあまり快く思わない面接官も、なかにはいます。
そのため、入社2年目の転職に成功するためにはいくつかのポイントで注意が必要です。
ここでは、注意すべきポイントを5つ紹介しましょう。
- ポジティブな退職の理由を説明できるようにする
- 新しい職場ではどんなことをしていきたいか明確にする
- 社会人になってからの経験で得たものを整理する
- 1社目での反省点を今後どのように活かしていくか言語化する
- 転職エージェントに登録する
ポジティブな退職の理由を説明できるようにする
まず重要なのが、「退職理由は前向きなものにする」という点です。
実際の退職理由が「腹の立つ上司がいる」「仕事が面白くない」といったものであっても、ネガティブな内容を素直に話してはいけません。
なぜなら、その理由を聞いた面接官は「嫌いな人間がいればまたすぐに辞めるのではないか」「興味のある仕事しかする気がないのか」などと考え、マイナスの印象を持ってしまうからです。
ウソはいけませんが、なるべく以下のようにポジティブに述べるようにしましょう。
- 人間関係が悪い→協力して仕事の成果を上げたいと考えていますが、現職では個人で動く風潮が強く、チーム制を採用している御社を志望しました
- 仕事が面白くない→自分は○○がしたいのですが、今の会社ではできないため転職を考えています。
新しい職場ではどんなことをしていきたいか明確にする
まだキャリアがあまりない第二新卒の場合、企業が重視するのは経歴や実績よりもポテンシャルや仕事に対する意欲などです。
そこで、選考では「どのような仕事をしたいと考えているか」を明確に語り、アピールしましょう。
そのうえで、「御社ならこの仕事ができるため、志望した」と説明することで説得力のある志望動機となります。
そのためには、しっかり自己分析をすることが大切です。
「自分はどのようなことに不満を感じているのか」「何に魅力を感じやりたいと思っているか」などをノートに書きだし、見つめ直しましょう。
自分が「何をすればやりがいを感じるか」がはっきり分かれば、新しい職場に入って何がしたいかも明確に伝えられるようになります。
社会人になってからの経験で得たものを整理する
入社して2年目では、これといった実績はない人も多いでしょう。
社内賞を受賞した、営業成績が支店内でトップだったなどの実績があればもちろん良いアピールポイントになります。
しかし、入社2年目では、わかりやすい実績がなくてもあまり気にすることはありません。
受賞歴などはなくても、仕事を通して吸収したことや学んだこと自体はあるはずです。
たとえば、「チームで協力して仕事を進め営業成績を上げた」「作業をマニュアル化し担当者がいなくても作業が進められる状態にして効率アップに貢献した」などといったことです。
そのような経験や得たものなどをノートなどに書きだし、整理しましょう。
次に、志望している企業はどのような人材を望んでいるかを求人票などから読み取ることも大切です。
そして、志望企業の望む人材像に合わせて経験や得たものをうまくアピールしましょう。
1社目での反省点を今後どのように活かしていくか言語化する
入社2年目で転職を考えるということは、現職に入社する際の企業研究や自己分析、将来へのキャリアビジョンなどが十分ではなかったことを意味します。
そのあたりの反省を次に活かしたいと考えてることも選考で伝えると良いでしょう。
たとえば、次のような調子です。
- 1社目の就職活動では、希望業界にこだわりすぎてかえって選択肢を狭めてしまいました。その反省から自分の本当にやりたいことを見つめ直した結果、御社の○○職が最適であると考えております。
転職エージェントに登録する
効率的に転職活動を進めるなら、外せないのが転職エージェントへの登録です。
転職エージェントでは、担当のキャリアアドバイザーがついてキャリアカウンセリングを行い、次のようなさまざまな転職支援を行います。
応募書類の添削や模擬面接などの選考対策
応募代行
日程調整
企業との雇用条件交渉など
転職エージェントを利用することで、自分ひとりよりはるかに効率的に転職活動を進めることが可能です。
キャリアカウンセリングでは経歴や希望条件、将来のキャリアビジョンなどについても話し合うため、自分では気づかなかった展望や自身の強みを知ることもでき、視野が広がる点も大きなメリットでしょう。
転職エージェントは1つに絞る必要はありません。
複数に登録してアドバイザーに合い、「こことは相性が良い」「安心して任せられそう」と感じられるところをメインに活動するのがおすすめです。
社会人2年目で転職をする3つのメリット
社会人2年目での転職には、2年目ならではのメリットがあります。それが以下の3点です。
- 未経験の職種にもエントリーしやすい
- 第二新卒枠と中途採用のどちらにもエントリーできるので転職の幅は広がる
- 社会人経験があるのでビジネススキルなどが習得できている
詳しく説明しましょう。
未経験の職種にもエントリーしやすい
20代後半以上での転職活動では、経験や実績が重視されるようになります。
後輩に指導する立場に立つことも求められる年齢になるため、まったく未経験の職種に挑戦して成功することは容易ではありません。
採用はされたものの、給料が下がってしまったなどのケースもあるでしょう。
しかし、社会人2年目の転職活動では実績は重視されず、ポテンシャルや仕事への意欲などが評価の対象となります。
そのため、未経験職種でも比較的スムーズにエントリーしやすく、採用へのハードルも高くありません。
第二新卒枠と中途採用のどちらにもエントリーできるので転職の幅は広がる
企業が社員を採用する場合、新卒採用と中途採用の2種類があります。
新卒採用では社会人経験がない学生を選考対象としますので、重視するのは仕事への適性や意欲、将来性などです。
一方、中途採用の場合は即戦力になる人材を求めて行うため、スキルや専門知識、実績があることが求められます。
ただし、この中途採用はさらに次の2つに分けて考えられることが多いです。
- 一般中途採用
- 第二新卒採用
第二新卒は、おおむね入社して3年未満の社会人を指します。
3年未満であればスキルや経験がまだそれほどなくても当然なため、採用時に分けている企業があるのです。
入社2年目での転職は第二新卒枠に当てはまります。
ただ、第二新卒採用をしていない企業も多いです。
そのような場合、一般中途採用でエントリーすることもできます。
どちらでもいけるため、第二新卒に該当しない転職希望者と比較すると採用の機会が多くなります。
社会人経験があるのでビジネススキルなどが習得できている
入社すると新入社員研修が実施され、まずは社会人として知っておくべきでビジネスマナーや社会人としてのモラルなどを指導されることが一般的です。
その後、実際の業務を通してさまざまなビジネススキルを習得していきます。
社会人2年目であれば、すでにひととおりビジネスマナーや基本的なビジネススキルは身についているでしょう。
これは第二新卒の大きな強みとなる点です。
なぜなら、企業にとっては時間と費用をかけて新人研修をする必要がなく、すぐに業務についてもらえるからです。
社会人2年目で転職をする3つのデメリット
社会人2年目での転職には、メリットばかりではなくデメリットも存在します。
ここでは、主に以下の3つのデメリットについて説明します。
- 中途採用でエントリーした場合スキル不足と判断される可能性がある
- すぐ退職してしまうのでは?と不安に思われる可能性がある
- 本来の同期より遅れてのスタートなので焦りを感じてしまうこともある
それぞれ見ていきましょう。
中途採用でエントリーした場合スキル不足と判断される可能性がある
企業が中途採用する場合、必ずしも第二新卒と区別しているわけではありません。
一般中途採用枠で募集していることもよくあります。
もちろん、入社2年目でも一般中途採用枠で応募することは可能です。
ただし、一般中途採用でエントリーすると、ライバルとなるのは社会人経験豊富で実績もある20代後半や30代の転職希望者たちです。
社会人2年目ということは、実際に就業している期間は1年と数カ月でしょう。
ほかの転職希望者と比べ、「まだまだ経験不足」「スキルが足りない」と判断され落とされてしまう可能性は低くありません。
経験不足が理由で落とされる場合はどうしようもありません。
「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」「経験不問」などを掲げる求人のみにしぼって応募するのも1つの方法です。
すぐ退職してしまうのでは?と不安に思われる可能性がある
入社して短期間での転職になるため、面接官には「また辞めてしまわないか」と思われてしまう可能性が高いです。
面接官も、意地悪でそう思うわけではありません。
採用活動には長い時間と大きな費用がかかります。
採用した人材が辞めてしまうと、時間も費用も無駄になるばかりかまた一から選考しなければならなくなるため、慎重になるのです。
面接で転職したい前向きな理由や仕事に対する意欲をきちんと述べれば、相手の不安を払拭できるでしょう。
本来の同期より遅れてのスタートなので焦りを感じてしまうこともある
転職すると、今までのキャリアがリセットされて新しい会社で一から積み上げていくことになります。
入社2年目での転職ということは1年と数カ月遅れてのスタートとなるため、焦りを感じる人もいるでしょう。
しかし、ほかの人と比べても仕方ありません。
また、新しい職場での頑張りしだいで、その程度の遅れを取り戻すことは可能です。
下手に焦らず、じっくり仕事に取り組むことに集中しましょう。
1社目の経験を踏まえて慎重に転職活動をしよう
入社2年目での転職には、未経験業界や職種でも挑戦しやすい、若く伸びしろがありビジネスマナーが身についている点を評価されるなどのメリットがあります。
一方、経験年数やスキルが不足している、また辞めるのではないかと不安に思われるなどデメリットがあることも確かです。
これを補うために、入社2年目で転職活動をする場合は以下のポイントに注意しましょう。
- 前向きな退職理由を用意する
- 1年目の反省や経験から得たものをどのように活かしたいかを伝える
- 新しい職場で目指すことを明確にする
- 転職エージェントを活用する
若いほどチャンスもあります。
経験を活かし、希望する職場への転職を成功させましょう。