
面接に進むための第一関門である「書類選考」。
「書類選考をなかなか通過せず面接までたどり着けない」と悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
実際に、書類選考の通過率がどのくらいなのかも気になるところです。
そこで本記事では、書類選考通過率と審査に通過するためのコツについてご紹介します。
目次
転職の書類選考通過率はどれくらいなのか
書類選考では、まず募集対象から大きく外れている応募者を選別します。
何百人もの応募者が集まる場合、すべての応募者に対して面接を行うことは時間的にも難しいため、採用企業が求める条件を満たしていない人を弾く必要があります。
もし、一つの求人に対する応募者が多ければ競争倍率は高くなってしまうため、書類選考通過率は低くなる傾向があります。
では次に、書類選考の通過はどのくらいの確率なのかを詳しく見ていきましょう。
転職における書類選考の通過率は約50%
書類選考の通過率は企業によって変わりますが、「約50%」と言われています。
つまり、一つの企業に100人の応募があれば、書類選考を通過するのが50人の確率です。
職業によっても通過率は異なり、営業職は約80%、大手企業は通過率10%以下と言われています。
求人数を多く出している場合や、即戦力を求めている場合の確率は高くなりますが、資格や実務経験が必要になる有名企業や、キャリアコンサルタントとして人材紹介をする企業は経験者の募集が多いため、書類選考通過のハードルは高いようです。
一次選考までたどり着くことができれば、その後の通過確率は上がっていきますが、落ちた原因が分からず、書類選考が通過できない状態が続くと、思うように転職活動が進みません。
新しく対策をする前に、落ちてしまった原因をしっかり理解しましょう。
書類選考をする2つの理由
そもそもなぜ書類選考をするのか?採用者の立場になって考えることも大切です。
ここでは、書類選考をする理由を2つご紹介します。
- 応募者全員と面接をする時間をさけないから
- 書類面接でフィルターをかけて精度を上げる
一つずつ詳しく見ていきましょう。
応募者全員と面接をする時間をさけないから
新卒採用や人気職種などは、応募数が一度に殺到しやすいケースが多いです。
そうなると、採用担当者はたくさんの書類を読む必要があるため、面接で応募者と向き合う時間を確保するためにも、履歴書や職務経歴書の確認にはあまり時間をかけられません。
また、機会費用として求職者の人数分のコストもかかってしまうので、審査をするだけで損失してしまいます。
もし、新卒の就活生であれば、職務経験がなく、そもそも評価基準が少ないので、じっくりと見るケースが多いですが、職種や必須スキルなどで求職者が絞られる場合は、書類に記載されている事実のみで判断されます。
書類選考からのアプローチするには、資格やスキル、経歴など文字で伝えなければなりません。
応募者の中で、実際に会ってみて価値観やキャリアプランを確認したいと思う人がいれば、面接へ進めるでしょう。
書類面接でフィルターをかけて精度を上げる
もう一つの理由は、スキル不足や方向性が違う対象外の応募者を外すことで面接の精度をあげることです。
書類選考で重要視されるフィルターとして、学歴、年齢、性別、転職回数、企業の格、資格、職務経験、転職未経験、健康状態などが挙げられます。
それぞれの要素について具体的に説明すると、
学歴 | 第二新卒で職務経験が比較的浅い場合、学歴はどうなのか? |
年齢 | 年齢が求める条件から少し離れていないか。 |
性別 | ターゲットをしている性別であるかどうか。 例)男性の管理職を増やしたい。社内に管理職候補の女性社員が少ない。 |
転職回数 | 設定をしている上限を超えていないか。 例)20代なら転職は2回以内 |
企業の格 | 前職は、世間一般的にみて入社するのが難しい会社かどうか。社会的に見て評価が高い会社かどうか。 |
資格 | 必須の資格を取得しているか。 |
職務経験 | どのくらいの実務経験があるのか。 |
転職未経験 | 未経験でも募集している場合のみ。 例)業務の急な拡大で人手が足りない。急な退職者を補充するため。 |
健康状態 | 心身ともに健康な人であるかどうか |
などを考慮に入れていることがあります。
すべての要素を完璧に満たす必要はありませんが、相手が求めているものを正しく理解し、アピールを行うことが重要です。
転職活動で書類選考を通過できない4つの原因
「いくつもの企業に応募しているのに、面接まで進むことができない」と悩みを抱える人も多いのではないのでしょうか?
書類の中に不採用の原因が必ず存在しています。
ここでは、書類選考を通過できない原因を4つご紹介します。
- 単純にスキル不足だから
- 同じ履歴書・職務経歴書を使いまわしている
- 応募書類に必要な情報が記載されていない
- 応募書類にぎっしり書かれていて読みにくい
一つずつ詳しく見ていきましょう。
単純にスキル不足だから
書類選考で落ちてしまう原因として大きいのが、経験とスキル不足です。
大手な会社ほど、求める経験やスキルを高く設定していて、優秀な人材だけを選別するようにしています。
「人柄」や「意欲」といった抽象度の高い要素は、応募者の倍率が高くなればなるほど通用しにくいです。
そこで、ベースとなるスキルと経験が重要視されるので、最低ラインの応募条件を満たしていない場合は不採用になってしまいます。(特に中途採用の場合は、新卒採用と違ってある程度のレベルを求められます)
応募者の中には、自身のスキルレベルを客観視しないで高望みをし、人気企業ばかりを狙う人もいるので、すぐに落とされてしまいます。
また、事前に会社情報を調べることなく、会社が求めている条件と全く違う内容で提出している人も同じです。
会社は長く働いてくれる人材を求めているので、いくら専門性の高い資格や経験があっても、マッチングしなければ必要されません。
同じ履歴書・職務経歴書を使いまわしている
履歴書と職務経歴書を書く時、「応募する度に職務経歴書を書くのが面倒」「同じ業界の同じ職種だから使いまわしをしてもいいのでは」と考える人も多いと思います。
しかし、それは間違いです。
採用担当者からみると、応募書類の使いまわしは採用動機や自己PRなどを見ると分かるので、「この人は当社で働く気持ちがなくて、大事な応募書類をいい加減に処理する人」と評価されてしまい、選考で落とされてしまいます。
なぜ、書類の書き方で分かるのかと言うと、「他にさまざまな会社があるなかで、応募者がなぜ当社を選んだのか?」が全く伝わらないからです。
会社が求めていることは会社ごとに違うので、同じ理由になることは通常ありえません。
いくら応募書類のクオリティが高くても、使い回しをやってしまうと、「きっとこの人は、転職できればどこでもいいと考えているのだろう」と思われてしまいます。
特に中高年はこれをやってしまうと、ビジネスパーソンとしての常識がない人だと評価され、落とされてしまいます。
応募書類に必要な情報が記載されていない
書類の項目の中でも過去の業務の実績や身に付けたスキルは、採用の合否を大きく左右するものです。
もし、応募書類に自分のスキルや経験が書き漏れてしまうと、せっかく会社へアピールできるものがあっても魅力を伝えられずに「もったいない不採用」として落とされてしまうことがあります。
書類の誤字脱字も同様です。
誤字脱字が多かったりすると、「大事な書類を適当に書く人」という印象がついてしまうので、評価は下がってしまいます。
特に、大切なデータを扱う仕事では、入力ミスは許されないので注意が必要です。
また、十分な時間を与えられているにも関わらず誤字脱字があると、ぎりぎりに準備をしたとも思われてしまいます。
応募書類にぎっしり書かれていて読みにくい
書類選考はわかりやすさが大切です。
採用者は、限られた時間内で決定しなければならないので、パッと見てわかりやすい内容でなければ読んでもらえません。
例えば、自分の経験やスキルをぎっしり書いているものや、長々と書かれているものは、読みにくくわかりにくいため、弾かれてしまいます。
また、字が汚いことも同じです。
文字がなんと書いてあるのか読めないような字で書いていれば、「書類を雑に書く人」という印象が付いてしまいます。
書類選考を通過するための押さえたい4つのコツ
ここでは、書類選考を通過するために押さえておきたいコツを4つご紹介します。
- 企業理解を深めて志望動機などに盛り込む
- 読み手のことを考えた読みやすい応募書類を作成する
- 自分が持っているスキルで活かせることをアピールする
- 第三者に客観的視点で応募書類をみてもらう
一つずつ詳しく見ていきましょう。
企業理解を深めて志望動機などに盛り込む
志望動機は、あなたがなぜその会社に入りたいのか、なぜその仕事をしたいのかをアピールするための重要な項目です。
使いまわしの応募書類だと「なぜ当社を選んだのか」が伝わらないので、印象は残りません。
必ず、業界分析や企業分析を入念に行い、「なぜ、数ある会社の中から、他社ではなく当社を選んで応募してきたのか」が伝わる志望動機を書きましょう。
転職エージェントを利用すれば、業界に精通したキャリアアドバイザーが、業界知識を含めて、志望動機と自己PRの書き方も教えてくれるのでおすすめです。
読み手のことを考えた読みやすい応募書類を作成する
応募書類は、採用者に読みやすい文章でなければなりません。
記入する際は、採用者が読みやすいよう、要点は簡潔にまとめて記入し、細心の注意を払って丁寧に書くようにしましょう。
もちろん、慎重に書いていても間違ってしまうことはあります。
間違って提出しまうことがないよう、全て書き終えた後は、提出する前に記入漏れがないかと、誤字脱字がないかを必ずチェックも行うことが大切です。
書き方を変えることで評価は大きく変わるので、「もったいない不採用」になることを防ぐためにも、書き方は意識しましょう。
自分が持っているスキルで活かせることをアピールする
書類選考で重視されるのは「スキル」や「経験」など仕事内容に直結する項目です。
関係ないスキルや経験について長々と書くのではなく、企業にとってメリットと感じるスキルや経験について詳しく書いてアピールするようにしましょう。
また、自分が持っているスキルがどのように活かせるか具体的に書くておくと、採用担当者も入社後の姿をイメージしやすくなります。
第三者に客観的視点で応募書類をみてもらう
作成した履歴書に対して「これでいいのかな?」と自信が持てないという場合もあると思います。
その時は、自分で作った履歴書を第三者に見てもらうのがおすすめです。
周りにみてもらうことで、意見をもらい、他の問題点に気付くことができます。
また、添削してもらうことで、文章のミスや誤字脱字が少なく、内容が伝わりやすい履歴書を作成することができます。
書類の書き方でその人の「真剣度」が伝わるので、採用担当者に読まれることを意識して丁寧に書きましょう。
企業が欲しい情報を簡潔に記載して書類選考を通過しよう!
応募者が殺到する有名な企業ほど、書類選考で落とされる確率は高くなります。
書類内のスキルや経験を見てもらう以前に、誤字脱字や字が汚いといった部分でマイナスの評価になると、せっかく就職するためにいろいろと努力してきても、読まれることがないまま不採用になってしまいます。
そうなってしまわないよう、提出する前に必ずセルフチェックを行い、最後に第三者に見てもらって万全な状態で提出しましょう。
最初のうちは、何度も落ちてしまうことがあると思いますが、今の自分のスキルが活かせる会社と出会うまでは諦めないことです。
企業によって求めるものは変わってくるので、必要としないスキルや経験ばかりをアピールしてしまわなように必ず企業理解を深めて望みましょう。
書類選考がなかなか通過できずに原因が分からない時には、ぜひ本記事を参考にして、転職活動に役立ててください!