
転職エージェントから応募して不採用となった企業に、自分で直接応募をすることができます。
しかし、採用されるためにはいくつかの注意点を忘れないようにしなければなりません。
転職エージェントで落ちた後に直接応募する方法から注意点まで詳しく解説します。
目次
転職エージェントで落ちた企業に直接応募してもよい?
転職エージェントから応募して不採用となった企業に自分から直接応募をしても、実際には全く問題はありません。
ただし多くの場合、直接応募をしてもふたたび落とされてしまう可能性の方が高いと考えられています。
なぜなら、転職エージェントから応募して一度落とされている場合は、自分のスキルや経験が企業の採用基準に満たないとすでに判断されてしまっている可能性が高いからです。
しかし中には、転職エージェントから応募して落とされても、直接応募をすることで採用されるケースもあります。
転職エージェントで落ちた企業に直接応募しても良い理由
一度不採用にされた企業であっても、直接応募をすることで採用される可能性があるのは、転職エージェントからの応募方法に特徴があるからです。
その特徴について詳しく説明します。
- 転職エージェントの社内選考で落ちている可能性があるから
- 転職エージェントが社内選考をするのはなぜ?
- エージェントの社内選考は通過したけど落ちた場合は?
転職エージェントの社内選考で落ちている可能性があるから
転職エージェントを介して応募が行われる際に、すべての転職希望者の情報が企業に渡っているわけではありません。
なぜなら、あらかじめ転職エージェントの企業担当者によって社内選考が行われ、採用基準を満たしている転職希望者の情報のみが企業に渡される仕組みとなっているためです。
転職エージェントの社内選考で不合格となった場合は、まだ企業に自分の情報が渡っていないため、直接応募をした際に違う結果となる可能性があります。
ただし、転職エージェントに提出した書類の内容が採用基準を満たしていなかったことは事実ですから、ただ直接応募をし直すだけではまた落とされてしまう可能性の方が高いでしょう。
転職エージェントが社内選考をするのはなぜ?
転職エージェントが社内選考を行うのは、企業から転職エージェント側で転職希望者をある程度ふるいにかけてから情報を渡すように指示されているためです。
転職エージェントは企業から渡されている採用基準と転職希望者の書類の内容を見比べて、少しでも基準を満たしていなければ不合格としています。
業務を効率化するために、本当に見込みのある転職希望者の情報にだけ目を通したいというのが企業側の本音です。
採用基準に満たない転職希望者の情報を渡してしまうと企業からの評価が下がってしまうため、転職エージェントの企業担当者は比較的厳しく社内選考を行っています。
仕事が忙しくなかなか採用に人手や時間を割くことができない上場企業や大企業が、転職エージェントによる社内選考を利用している場合が多いです。
エージェントの社内選考は通過したけど落ちた場合は?
転職エージェントの社内選考を通過した後に不採用となった場合は、企業側に自分の情報が渡っているため、ふたたび応募をしても同じように不採用とされてしまう可能性が高いです。
そのため、企業による書類選考や面接などを行った上で落ちた場合は、あきらめて別の企業に応募をした方が良いでしょう。
企業は転職希望者の情報をリスト化しているため、短期間で全く同じ人物が応募してきたと判明した時点で不採用にする場合が多いのです。
どうしてもあきらめきれないのであれば、数年後の再チャレンジに向けて、自分が不採用となった理由を克服するためにより長期的な計画を立てなければなりません。
転職エージェントを通じて落ちた企業に直接応募する前に
転職エージェントから不採用の連絡をもらった後、直接応募をする前に、まずは不採用となった理由を転職エージェントのキャリアアドバイア―に聞いてみましょう。
不採用の詳しい理由は教えられないといわれた場合は、社内選考で不採用になったのか、企業の書類選考で不採用になったのかだけでも教えてほしいと聞いてみると、情報を開示してくれるエージェントが多いです。
もし、転職エージェントの社内選考で落ちていたのなら、自分で直接企業に応募すれば採用される見込みはあります。
可能であれば不採用になった理由を詳しく聞き、履歴書や職務経歴書に記載した内容で間違えている箇所や書き足すべきことがないか確認してから再応募すると良いでしょう。
転職エージェントを通じて落ちた企業に直接応募する方法
転職エージェントを介さずに直接応募を行うには、企業の採用情報を自分で調べる必要があります。
まずは、企業のホームページを確認してみましょう。
ホームページに応募フォームや履歴書の送り先などが記載されている場合は、その指示に従って直接応募をすることができます。
ただし、企業が常に採用情報をホームページに掲載しているわけではないため、時期によっては応募自体ができないかもしれません。
転職サイトで企業の応募情報を見つけて応募する方法もあります。
より多くの転職希望者を募るために、複数の転職サイトに求人情報を出している企業もあるため、確認してみる価値はあるでしょう。
ただし、ホームページから応募をした方が人事まで直接情報を届けることができるため、その後のスケジュール調整が早くなります。
転職エージェントで落ちた企業に直接応募する際の4つの注意点
一度転職エージェントから応募をして落とされてしまった企業に直接応募をする際は、以下の点に注意する必要があります。
- エージェントのサポートが無いのですべての作業を自分でしなければならない
- すべての連絡が選考に関わるので失敗できない
- レスポンスは早めにしたいが現職中の場合平日の日中は避ける
- 書類選考通過の可能性を上げるため履歴書や職務経歴書を事前に見直す
エージェントのサポートが無いのですべての作業を自分でしなければならない
転職エージェントに頼らずに直接企業に応募をするということは、転職エージェントが代行してくれたりサポートしてくれたりしていたことをすべて自分の力でこなさなくてはならないということです。
転職エージェントを利用することで得られるメリットはたくさんありますが、自分で直接応募をするときはそれらすべてを手放さなければなりません。
以下に、転職エージェントが行ってくれていた主なサポートをあげます。
- 書類審査や面接の対策をしてくれる
- 企業の内部情報を教えてくれる
- 面接などのスケジュール調整を代わりに行ってくれる
- 面接後にフォローを入れてくれる
これらのサポートを受けられなくなるのは、転職希望者にとっては大きなデメリットとなります。
すべての連絡が選考に関わるので失敗できない
転職エージェントを介して応募をした時は、履歴書や職務経歴書、そして転職エージェントが用意した紹介状が企業に届いた時点から選考が始まります。
しかし、自分で直接企業に応募をする場合は、最初に応募の連絡をした時点から選考が始まってしまうのです。
履歴書の郵送の仕方から、面接日を決めるための電話の仕方まですべてチェックされ、実際に面接に至った頃には自分がどのような人間かある程度はすでに評価されている状態になります。
どんなに些細なやり取りも選考結果に関わるため、転職エージェントを介して応募するよりも感じるプレッシャーは大きくなるでしょう。
また、面接で緊張して失敗してしまっても、キャリアアドバイザーが自分の代わりにフォローを入れてくれるようなこともないため、少しのミスで簡単に不採用にされてしまいます。
レスポンスは早めにしたいが現職中の場合平日の日中は避ける
企業からメールや電話が来たら、必ずその日のうちに連絡を返さなくてはなりません。
企業に直接応募を行った場合は、レスポンスの早さで志望の本気度を判断されます。
ただし、転職活動期間中も仕事をしている場合は、平日の日中に返事を返すのは避けましょう。
「平日の日中に連絡ができるということは、本当は仕事をしていないのではないか」と疑われてしまう恐れがあります。
企業とのどのようなやり取りも命取りになりかねないと肝に銘じ、返信をするタイミングにも気を配りましょう。
書類選考通過の可能性を上げるため履歴書や職務経歴書を事前に見直す
転職エージェントに提出した履歴書や職務経歴書の内容を見直して、企業の採用基準に満たない可能性がある項目や書き忘れている情報がないかもう一度よく見直してみましょう。
転職エージェントから応募した時と全く同じ内容の書類を提出しても、同じように書類審査で門前払いされてしまう可能性が高いためです。
スキルや資格、経歴などもっと具体的にかけることや職歴としてアピールしておくべきことはないか自分を振り返り、新しく一から履歴書や職務経歴書を書き直すようにしましょう。
書類は転職エージェントのフォーマットを利用する
履歴書や職務経歴書のフォーマットは、転職エージェントが使っているものをそのまま使用した方が無難です。
その方が企業側も見慣れているため、苦労せずに内容を確認することができます。
転職エージェントによっては、ホームページに履歴書や職務経歴書のフォーマットを掲載しているので、それらをダウンロードして使いましょう。
職務経歴書は数字や具体例をわかりやすい実績を書く
職務経歴書の書き方に決まったルールはありませんが、企業側はただでさえ時間的なコストを割くことを嫌がりますので、できるだけ読みやすくかつ明確な数字を用いて記載するようにしましょう。
長々と具体的に文章で経歴を記載するよりも、ポイントごとにまとめて記載して、後から数字で分かりやすく実績を記載する方が分かりやすいため喜ばれます。
読みやすいように見出しで分けたり、文字のサイズや太さを変えるような工夫も必要です。
一目で分かるように定量的に実績を記載することで、人事もどこがその人物のアピールしたいポイントなのかを迅速に把握することができます。
志望動機書を作成するなど入社意欲をアピールするのも有効
転職エージェントを利用すると、キャリアアドバイザーが転職希望者の入社意欲などを紹介状の中に記載してくれるため、企業側に熱意が伝わりやすくなります。
しかし、自分で応募する時は紹介状はないため、他の求職者に差をつけられないようにするためにも、自分で志望動機書を作成し入社意欲をアピールした方が良いでしょう。
職務経歴書とあわせて志望動機書も提出することで、「本当にうちの会社で働きたんだ」と認めてもらえます。
企業側は、転職希望者が自分たちの企業を選んだ必然性(その企業でならない理由)にも注目しているため、直接応募をする際は志望動機書の提出が必須であると考えておいた方が間違いありません。
転職エージェントを通さない直接応募を企業側はどう見ている?
直接応募してきた求職者に対して企業側が抱く印象は、決して悪いものではありません。
具体的には以下の通りです。
- 採用コストがかからないため企業のメリットは大きい
- 入社意欲を高く評価されることが多い
採用コストがかからないため企業のメリットは大きい
転職エージェントを介して人材を募集する場合、企業側は紹介手数料として年収の30%前後を転職エージェントに支払わなければなりません。
一方、ホームページや転職サイトから直接応募してきた転職希望者を採用する場合は、紹介料などのコストは一切かからないため喜ばれます。
転職エージェントから応募してきた人材と直接応募してきた人材が同じぐらいの能力であれば、よりコストのかからない直接応募の人材を採用する企業が多いのも事実です。
入社意欲を高く評価されることが多い
直接応募をすることで、高い入社意欲を企業にアピールすることができます。
転職エージェントを利用している転職希望者は、とにかく転職を成功させたいがために同時に何社か応募しているのが普通です。
一方、直接応募をしてきた人材は、自分で一から調べて企業の採用情報にたどり着いた人物であるため、最初から自分の会社に応募することを目的として行動していたと判断してもらえます。
転職エージェントで落ちた企業でも直接応募は可能
転職エージェントから応募をして落とされてしまった場合でも、転職エージェントの社内選考で落とされたのであれば直接応募で採用されるチャンスがあります。
直接応募を行う際には、書類審査で落とされないように履歴書や職務経歴書の内容をもう一度見直しましょう。
転職エージェントを介さずに、自分一人で転職活動を進めるのは大きなプレッシャーですが、高い入社意欲や自分一人で転職を成功させることができる能力を企業にアピールできるチャンスだと捉えることもできます。
他の求職者に差をつける気持ちで、きちんと準備を整えてから直接応募に挑みましょう。