
転職エージェントで内定を辞退すると、しつこい対応を取られることがあります。最悪の場合にはさまざまなトラブルに発展してしまうことも考えられますので、十分な注意が必要です。
この記事では、転職エージェントの内定を辞退するとしつこい理由やトラブルの回避方法を紹介します。
目次
内定辞退時にしつこい転職エージェントは多い
転職エージェントを利用して無事に内定がもらえても、内定の辞退を決めることがあるでしょう。同時に応募していた企業からも内定をもらったときには、条件のよい企業を選びたいものです。
しかし、転職エージェントに内定の辞退を告げると、しつこい対応を取られることがめずらしくありません。転職エージェントからのしつこい対応に嫌気がさす人も多いでしょう。
なぜ転職エージェントは、内定辞退を申し出るとしつこいのでしょうか。
転職エージェントが内定辞退の際にしつこい3つの理由
転職エージェントが内定辞退に対してしつこい理由には、ビジネスの仕組みが関係しているといえるでしょう。内定を辞退されてしまうと、転職エージェントにはさまざまな問題が起こってしまうのです。
転職エージェントが内定辞退でしつこい理由には、次の3つが挙げられます。
- 辞退されると売上が発生しない
- 辞退されるとノルマが達成できない
- 辞退されると企業との関係性が悪くなる
辞退されると売上が発生しない
転職エージェントの多くは無料で転職支援をしています。無料でもサポートができる背景には、企業からの成功報酬があるでしょう。
企業にとってよい人材を紹介し、入社にまで結び付けられると報酬が得られる仕組みが採用されています。
いいかえると、転職希望者を紹介して内定にまでこぎつけたとしても、入社に至らない場合、転職エージェントには一銭も入らないのです。
そのような理由から、転職エージェントは内定をどうにか入社へと結びつけようとし、しつこい連絡を続けることが多いでしょう。
辞退されるとノルマが達成できない
転職エージェントの中にはキャリアアドバイザーにノルマを課しているところもあります。
親身になって相談に乗ってくれるキャリアアドバイザーでも、上司からは「今月は○人!」などのプレッシャーをかけられていることが多く、ノルマを達成しないと成績に響いてしまうこともあるでしょう。
そのため、強制的にでも内定を承諾させるべく、しつこい対応をしてくることがめずらしくありません。
辞退されると企業との関係性が悪くなる
転職エージェントは企業からの成功報酬を得てビジネスを成立させていますので、企業との関係を非常に大切にしています。
信頼できる求職者を企業に入社させられると、企業からの信頼度も高くなり、より多くの求人を出してもらえるようになるのです。
転職エージェントにとって、企業との関係性は極めて重要なことから、内定を辞退するとしつこい対応を取り、内定辞退を阻止しようとしてくることがあります。
最悪は損害賠償?トラブルを回避する方法とは
転職エージェントに内定を辞退すると、しつこい連絡を受けるだけではありません。最悪の場合には、損害賠償を請求されてしまうこともあるのです。
転職エージェントからしつこい対応をされないためには、正しい方法が求められます。転職エージェントに内定を辞退するときには、次の6つのポイントに気を付けましょう。
- なるべく早く内定辞退の連絡をする
- 内定辞退の理由をしっかりと伝える
- 丁寧な連絡を心がける
- 謝罪の意思をしっかりと伝える
- 企業に直接内定辞退の連絡をしない
- エージェントとの話がこじれた場合には弁護士に相談する
なるべく早く内定辞退の連絡をする
内定辞退の連絡は、できるだけ早く伝えるようにしましょう。内定をもらったにもかかわらず返事を先送りにしていると、企業によい印象を与えません。
企業へ内定の辞退を連絡するのは転職エージェントですので、あまりにも遅い連絡は転職エージェントに迷惑をかけることになるでしょう。
また、内定の辞退によって不利になることも多いため、転職エージェントはしつこい対応をしてくるのです。
さらに、企業は内定を出した人が自社で働いてくれると考え、準備を進めています。そのため、入社直前に内定辞退の連絡をすると、この転職エージェントは信頼できないと判断されてしまうでしょう。
入社2週間前に内定を辞退すると損害賠償を請求されてしまうリスクもあります。
このような理由から、内定を辞退するときにはできるだけ早く転職エージェントに連絡をし、しつこい対応にならないよう先手を打つことが大切です。
内定辞退の理由をしっかりと伝える
転職エージェントに内定辞退を申し出るときには、はっきりとした理由を伝えることも肝心です。
明確な理由がない場合には、キャリアアドバイザーなどからしつこい対応を受けてしまうことがあるでしょう。
なぜなら、はっきりとした理由がない場合には、しつこい連絡をすると入社を決めるかもしれないと考えられているからです。
具体的な理由とともに内定辞退の意思を告げると、志望度がゼロであると判断されることが多いでしょう。その結果、しつこい対応をされる可能性が少なくなります。
丁寧な連絡を心がける
転職エージェントに紹介してもらった求人で内定がもらえた背景には、転職エージェントのキャリアアドバイザーによる手厚いサポートがあります。
親身になって相談に乗り、面接対策までお世話になったキャリアアドバイザーですので、内定を辞退するときでも丁寧な対応を心がけるようにしましょう。
内定辞退を当たり前のようにとらえると、この先の転職活動にも支障をきたしてしまうことがあります。
誠意を持った対応を心がけ、社会人としてのマナーを守って内定辞退を申し出ましょう。そうすることで、しつこい連絡を避けることが可能です。
謝罪の意思をしっかりと伝える
内定の辞退に対して謝罪の意思がない場合には、キャリアアドバイザーによい印象を与えません。その結果、内定辞退を阻止するしつこい連絡につながることもあるでしょう。
内定を辞退してしまって申し訳ないという気持ちをしっかりと伝えると、お互いに悪い気持ちが起こりません。
そのため、内定を辞退する際には謝罪の意をしっかりと伝えることが大切だといえます。
企業に直接内定辞退の連絡をしない
転職エージェントを利用すると、内定通知も転職エージェント経由で伝えられるでしょう。
企業との直接的なやり取りは転職エージェントが行うのがルールです。したがって、内定が決まった場合でも、内定の辞退を企業に連絡してはいけません。
企業に内定辞退の連絡をするとトラブルに発展する可能性もあるでしょう。また、企業と転職エージェントの関係が悪くなってしまうことも考えられます。
企業だけでなく転職エージェントに対しても失礼にあたりますので、しつこい対応を恐れず、内定辞退は転職エージェントへと連絡しましょう。
エージェントとの話がこじれた場合には弁護士に相談する
企業から内定をもらっても、内定の辞退は原則可能です。したがって、転職エージェントがあまりにもしつこい対応をしてくる場合には、弁護士などの専門機関への連絡を考えましょう。
転職エージェントからのしつこい連絡を受け続けると精神に支障をきたし、ノイローゼになってしまうこともあります。転職活動を成功させるためにエージェントを利用しているにもかかわらず、病気になってしまっては元も子もないでしょう。
弁護士などの専門家であれば、法に基づいた交渉なども可能です。しつこい対応に悩まされる前に、連絡してみるのがよいでしょう。
転職エージェントでの内定辞退時にしつこい!トラブル事例3つ
転職エージェントの内定を辞退すると、しつこい対応をされるだけでなく、さまざまなトラブルに発展することもあります。
しつこい連絡が度をこえると、精神的に追い込まれてしまうこともあるでしょう。また、この先の転職活動に影響するケースもみられるのです。
転職エージェントの内定を辞退するときには、次の3つのトラブルが考えられます。
- 脅迫まがいの連絡が…
- ブラックリストに載る?
- 損害賠償が発生する可能性が…
脅迫まがいの連絡が…
「企業から損害賠償が発生するといわれ、訴えられる可能性がある」といった内容や「ほかの転職エージェントとも内定を辞退した事実を共有し、ブラックリストに載る」などと脅迫されることもあるでしょう。
さまざまな理由をつけてしつこい連絡を繰り返し、求職者を無理やりにでも入社させようと脅すケースが目立ちます。
しつこい対応が繰り返されると精神的に追い詰められてしまうため、専門家に相談するようにしましょう。
ブラックリストに載る?
転職エージェントからのしつこい連絡で多いのは、「ブラックリストに載る」といった内容です。
ハローワークやほかの転職エージェントとブラックリストを共有するため、今後の転職が難しくなると脅してくることがあるでしょう。
転職エージェントにはブラックリストが存在しますので、面接に行かなかったことや内定を辞退したことは記されてしまいます。しかし、このブラックリストは社内に限ったものであり、ハローワークやほかの転職エージェントと共有されることはありません。
個人情報を保護するため、ブラックリストを共有しないことは法律で定められています。そのため、しつこい脅しにあっても、受け流すようにしましょう。
しかしながら、この先も同じ転職エージェントで転職活動を続ける際には、紹介できる求人がないなどといわれる可能性もあり、注意が必要です。
損害賠償が発生する可能性が…
転職エージェントに内定を辞退しても、転職エージェント側から損害賠償を請求されることはありません。同時に複数の企業に応募し、いくつかの内定から入社する企業を絞り込む求職者は多いものです。
したがって、転職エージェントにとって内定辞退はめずらしくなく、それらすべてに損害賠償を請求しているとキリがないでしょう。
転職エージェントは、紹介した企業に求職者が入社することで報酬を得ますので、内定辞退にはしつこい対応をしてきます。しかし、損害賠償にまで発展することはないといえます。
ただし、入社日の2週間前をすぎて内定を辞退すると、企業から損害賠償を請求されてしまうことがあるため注意が必要です。
民法第627条第1項では、2週間前であればいつでも雇用契約の打ち切りは可能であると定められています。したがって、入社まで2週間を切ると法律では保護されず、企業は内定辞退に対して損害賠償が請求できるようになるのです。
そのため、遅くとも入社予定日の2週間前までには、転職エージェントに内定辞退の連絡をしておきます。
トラブルを回避するため転職エージェントの内定辞退は丁寧に
転職エージェントに内定辞退を申し出ると、しつこい対応に悩まされることがあります。しかし、転職エージェントの立場も理解し、社会人として誠意ある断り方を選ぶと、しつこい連絡を受けることがないでしょう。
内定辞退から発展するトラブルも多いため、今回紹介した方法を頭に入れ、正しい対応を心がけてください。