
転職エージェントに断わらなければならないとき、その断り方は重要です。転職を成功させるためには、よい関係が維持できる断り方を選ぶ必要があるでしょう。
ただ、どのように断れば失礼にあたらないのでしょうか。そこで、転職エージェントの断り方を、シーン別に例文を交えて紹介します。
目次
転職エージェントの断り方はシーンによって異なる
転職エージェントを利用すると、自分に合った求人を紹介してもらえます。しかし、時として断らなければならないシーンも出てくるでしょう。
応募先の企業と面接にまで進んでも、辞退をするケースは少なくありません。ただ、お世話になった転職エージェントに断るのは、気が引けますよね。
転職エージェントには、どのように断り方であれば角が立たないのでしょうか。
転職エージェントに断るシーンはいくつもありますが、それぞれのシーンに合った文章を選ぶと、先方に失礼にあたらず、上手に断ることが可能です。
ここからは、シーンごとの転職エージェントの断り方を例文を交えて紹介します。
シーン別の転職エージェントへの断り方5選
転職エージェントに断るシーンは人それぞれ異なりますが、次の5つのシーンが多いといえるでしょう。まずは、次の5つのシーンにおける断り方を解説します。
- 面談の断り方
- 面談後の断り方
- 企業を紹介された後の断り方
- 紹介された企業との面接後の断り方
- 紹介された企業の内定を貰った後の断り方
面談の断り方
転職エージェントに登録すると、面談の日程が決められます。ただ、面談の日程が確定しても、この転職エージェントは利用しないと考えることもあるでしょう。
この場合の断り方のポイントは、転職エージェントとの面談をキャンセルし、登録を解除することへのお詫びを伝えることです。さらに、断りたい理由も伝えておくと丁寧な断り方となるでしょう。
電話で連絡をするのがベターですが、転職エージェントではたくさんの求職者を抱えているため、メールで簡単に済ませても失礼な断り方にはなりません。
面談後の断り方
転職エージェントと面談をしても、サービスの内容などが自分に合わず、登録の解除を考えることもあります。また、複数の転職エージェントに登録し、面談後に比較して転職エージェントを決めることもあるでしょう。このような場合の断り方は、次の3つがポイントです。
まず、面談後のキャンセルに対するお詫びを述べます。次に、面談の時間をいただいたことへの感謝の気持ち、さらに、断る理由も忘れないようにしましょう。
メールでも問題ありませんが、電話であれば誠意が伝わる断り方となります。
企業を紹介された後の断り方
転職エージェントが自分にマッチする企業を紹介してくれても、自分の希望にはそぐわないこともあります。この場合の断り方は、まず、転職エージェントに紹介してもらったことへのお礼から始めましょう。
次に、希望に合う企業がないとはっきりと伝えることが大切です。
しかしながら、単純に応募はしたくないと伝えるだけでは、転職エージェントから転職をする気がないと判断されてしまうことがあるでしょう。そのため、紹介してもらった企業が自分の希望とどのように違うのか、なぜ合わないと感じるのかといった点を明確にしておきます。
そのうえで、どのような企業を紹介してほしいのかといった要望も伝えておくのがよい断り方です。
紹介された企業との面接後の断り方
転職エージェントに紹介してもらった企業と面接まで進んだとしても、面接で話を聞いていると、イメージしていた仕事内容と違うことがあります。
また、実際に企業の担当者と会ってみると、自分とは合わないと感じるケースもめずらしくないでしょう。
転職エージェントから紹介してもらった企業との面接まで進んだときには、断りづらいと感じてしまいます。
しかし、転職エージェントでは、このようなケースは比較的よくある話としてとらえられているのです。したがって、転職エージェントに紹介してもらった企業でも、素直に企業のイメージが違ったと伝えるのが正しい断り方でしょう。
ポイントは、包み隠さず正直に伝えることです。曖昧にしてしまうことで、転職する気がないと判断されてしまう可能性もあるため、ストレートな断り方を選びます。
紹介された企業の内定を貰った後の断り方
転職エージェントから紹介された企業の内定をもらっても、他社からも内定をもらえたことで、断るシーンもあるでしょう。
求職者からすれば断るのは気が引けますが、転職者が複数の企業に同時に応募しているのというのは、転職エージェントでは当たり前の話です。そのため、内定をもらった企業に断りを入れるというのもめずらしくないといえるでしょう。
このとき、転職エージェントに他社からの内定をもらったとストレートな理由を伝えるのが正しい断り方だといえます。
ただし、紹介してもらった企業から内定をもらえたことへのお礼などは基本的なマナーですので、忘れないようにしましょう。
【例文をチェック】シーン別の転職エージェントへの断り方5選
転職エージェントへの断り方は、電話をかけるのが丁寧でしょう。しかし、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、一度に複数の求職者をサポートしています。
多忙な業務であることから、メールでの連絡でも問題ないといえるでしょう。ただ、どのようなメールを送ると相手を傷つけることなく伝えられるのでしょうか。
ここからは、転職エージェントで考えられる5つのシーンごとに、メールでの断り方の例文を紹介します。
- 例文:転職エージェントとの面談を断る
- 例文:転職エージェントとの面談後に断る
- 例文:転職エージェントから紹介された企業との面接後に断る
- 例文:転職エージェントから紹介された企業との面接後に断る
- 例文:転職エージェントから紹介された企業の内定を貰った後に断る
例文:転職エージェントとの面談を断る
○○様お世話になっております。先日エージェントサービスに登録させていただきました××と申します。
大変恐縮ですが、今回はエージェントサービスの登録をキャンセルさせていただきたくご連絡をさせていただきました。
面談の日程も調整していただいた中、大変恐縮ではありますが、ご理解ください。
今回は、私の都合で大変申し訳ありません。
また、別の機会がございましたら何卒よろしくお願いいたします。
署名
例文:転職エージェントとの面談後に断る
○○様
いつもお世話になりありがとうございます。先日面談をしていただきました××でございます。
お忙しい中にもかかわらず、お時間をいただけたこと本当にうれしく思っています。
面談の後で大変恐縮ですが、エージェントへの登録をキャンセルさせていただきたくご連絡を差し上げました。
転職について検討し直した結果、転職活動の休止を決定した運びです。
ただ、改めて転職を希望するときがくるかもしれません。そのときにはぜひ○○様のお力添えをいただきたいと考えていますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
署名
例文:転職エージェントから企業を紹介された後に断る
○○様
いつもお世話になっております。先日△△社の求人をご紹介いただいた××です。
お忙しい中、求人をご案内いただきましてありがとうございます。さっそく内容をチェックさせていただきました。
お手数をおかけしているためこのような申し出は心苦しいのですが、今回の求人の労働時間は当方の希望とは異なると感じています。
大変申し訳ありませんが、今回の求人は辞退させていただきます。
今後は、次のような条件に近い求人がありましたら、お知らせいただけると幸いです。
(希望の条件を具体的に明記)
今後ともよろしくお願いいたします。
署名
例文:転職エージェントから紹介された企業との面接後に断る
○○様
いつもお世話になっております。××です。
△月△月に予定しておりました●●社の面接ですが、辞退をお願いしたくご連絡させていただきました。
面接までのサポートをいただいたにもかかわらず大変恐縮ですが、選考が進むにつれ、待遇や内情などが当方の希望とは異なると感じています。
その結果、●●社への志望度が低くなったため、次の面接へは進まない方がよいと判断した次第です。
○○様にはたくさんのお力添えをいただき、心から感謝しております。この度はこのような結果となり大変申し訳ありません。
企業の担当者様にも心苦しいと感じております旨をお伝えいただけると幸いです。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
署名
例文:転職エージェントから紹介された企業の内定を貰った後に断る
○○様
日頃よりたくさんのご支援をいただきありがとうございます。
先日内定をいただきました●●社ですが、非常に恐縮ですが内定を辞退させていただきたく存じます。
別口から応募していた企業様からも内定を受け、そちらへの入社を決心した次第です。
●●社の面接でお会いした担当者様はお人柄もよく、共に働くことを希望しておりましたが、仕事内容や条件などを考慮した結果、別の企業を選択いたしました。
大変心苦しいのですが、そのような理由から内定を辞退させていただきます。ご理解いただけると幸いです。
署名
トラブルを回避する転職エージェントへの断り方2つの注意点
転職エージェントとのトラブルを回避するためには、断り方に気を付ける必要があります。上手な断り方を選ぶことで、この先もよい関係が維持できるようになるでしょう。
断り方のポイントは次の2つです。
- 断りたくなったらなるべく早く連絡
- 断りの連絡は丁寧に
断りたくなったらなるべく早く連絡
転職エージェントへの断り方のポイントの1つ目は、なるべく早く連絡をすることです。
相手は自分にスケジュールを合わせてくれていますので、ギリギリになってから断りの連絡を入れると、信用を失うことになるでしょう。
企業との面接の場合には、転職エージェントが企業からの信用を失うことにもつながりかねません。
キャリアアドバイザーも人間です。自分の顔に泥を塗った求職者に、今後もよい求人を紹介したいとは思わないでしょう。
また、今後も突然の辞退を申し出てくるのではないかと考えられてしまうこともあり、これまでのような関係を維持するのが難しくなってしまうのです。
そのような理由から、少しでも早めの連絡が上手な断り方だといえます。
断りの連絡は丁寧に
断り方のポイントの2つ目は丁寧な対応を心がけることです。転職エージェントは、求職者の転職が成功するよう、さまざまな調整をしています。
しかし、求職者が断ることで、これまでの仕事が無駄になってしまうでしょう。そのような理由から、できる限り丁寧に連絡をするのが正しい断り方です。
キャンセルの連絡はメールでも問題はありません。キャリアアドバイザーも多忙なため、メールのほうが確認しやすいという内容もあるでしょう。
しかし、企業との面接を断るときや内定の辞退など、シーンによっては電話でのフォローが求められることもあります。
シーンによってメールか電話かを使い分けることが大切ですので、社会人としてのマナーを大切にした断り方を選びましょう。
転職エージェントへの断り方はシーンによって使いわけよう
転職エージェントへの断り方は、シーンごとに使いわける必要があります。ただし、どのシーンでもこれまでの感謝をしっかりと伝えることが大切です。そのうえで、この先もよい関係が維持できるような断り方を選びます。
今回紹介した例文を参考に、社会人としてのマナーを踏まえた断り方を心がけましょう。